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過ぎる終末

日々の妄想垂れ流し日記

2017/4/11

僕は特段オタクというわけではないのですが、そんな僕にもこの春からの放送を楽しみにしていたアニメがあったのでした。

僕は出来ればアニメはリアルタイムで観たい派ですので、東京で研修を受けるとなった際には、ちゃんと放送を見ることが出来るのだろうかと心配もしたものですが、幸いなことに会社まで片道一時間半かかるというこんな寮でも、TVは標準装備でしたので、僕は安心してこちらに来ることが出来たのです。

寮のTVは実家のものと比べ、かなり小さく、録画機能とかいう気のきいたものは一切ありませんでしたが、僕はアニメさえ見れたらそれでいいので、それほど不満はありませんでいた。

実際のところは、働きだしてからというものの、寮が会社から遠いために早起きを強いられることになり、深夜帯にやっているアニメは一切見ることが出来ていなかったのですが、とうとう明日からは僕が楽しみにしていたアニメの放送が始まるのです。このアニメだけは次の日がどれだけきつくなろうとも見なければならない。このアニメが僕の毎日に活力を与えてくれ、日々の生活を生き抜く力をくれるのだと信じておりました。

さあ、明日からの活力となってくれよ!と僕はTVに備わっている番組表で、目的のアニメを探し始めます。放送が明日からということ、どうやら東京が最速らしいということまでは覚えていたのですが、肝心の放送時間を覚えていなかったために番組表で調べる必要があったのです。

早速、目的の番組を見つけ思わず微笑んでしまう僕。ああ、まじで明日の放送楽しみだよ…。PVの出来も悪くなかったし中々期待できそうだな…。我ながら気持ち悪い面でニヤニヤしていたかとは思いますが、この時の僕は本当に幸せだったのです。

その時、ふっと今の時間は何が放送されているのだろうかと気になってしまったのが間違いでした。いや、結局は分かってしまうことだったのですから、それが早いか遅いかの違いでしかなかったのでしょう。

番組表を閉じ、TVの画面に戻ります。しかし、そこに映し出されたのは完全なる暗黒でした。意味がわからず呆然としていると、突然「映像を受信できませんでした。受信レベルを確認してください」といったメッセージが現れます。

え…、何それ…?もしかして見れないの…?関東だとこの放送局しかやってないんだけど…。

さっきまでの余裕はなくなり、突然の出来事に焦り始める僕。TVに表示された指示通りに受信レベルを確認してみますが、そこに表示されたのは完全無欠の数字である0でした。映る見込みなし。

調べてみたところによると、どうやらこの放送局は元々の電波が弱く、あまりに東京から離れすぎると映らなくなってしまうことがあるようでした。はあ…まあ、うちの寮とかクソ遠いしね…。

あまりな出来事を前に、思わず寮に火を放ってしまいます。ほうら、燃えろ燃えろ!こんな寮が失くなっても誰も困りゃあしねえんだよ!

そしたら普通に消防車が来て、火は一瞬で消されていきました。僕は放火の罪で逮捕されるそうです。でもいいんだ。檻の中ならアニメがどうとか関係なくなるもんね…。

ちなみに会社から近い寮に住んでいる奴にTVが映るか確認してみたところ、返ってきた返答は「普通に映るよ」でした。僕は平等な社会の到来を祈らずにはいられませんでした。